抄録
旅行市場における新たな消費者として若者が期待されている。観光庁は、現在及び将来の旅行市場拡大のためには、若者に良い旅行経験をしてもらうことが重要だと述べている。2014年に観光庁は、若者の旅行に対する認識などの実態把握のために調査を行った。その調査では、1年間に1度も旅行をしない若者は、アニメやゲームのようなインドア系の趣味指向が強く、趣味をきっかけに宅外でその趣味を楽しめる旅行プログラムの展開が有効だと報告された。
また2005年頃からコンテンツツーリズムという手法が注目され始めた。それにより、映画やアニメのロケ地と観光との親和性が高いことから、全国各地でオリジナルコンテンツの制作と活用が行われてきた。しかし持続的な効果をあげるための活用方法は必ずしも明確化されておらず、作品の知名度が高くなければ観光客は増えない。だが地域によっては、作品の活用によって若者の旅行振興に成功した例も見られる。
そこで本研究は、若者を宅外に誘導する効果がみられたコンテンツの事例調査から、若者に良い旅行経験をしてもらうために有効な点と問題点を明らかにし、若者の充実した旅行支援のための作品活用の指針を提示する。