筆者の東(2016)は先行研究で五感の相互体験としての触感の内、視覚の影響に着目した触感について取り扱った。その結果からグラフィック(文様)の印象が触感に影響を与えていることが示唆された。また、表面形状が把握できない場合グラフィックの印象が触感に影響を与えないことが示唆された。本研究では筆者の卒業研究の継続として行ったものである。卒業研究で示唆された結果の内、表面形状が把握できない場合グラフィックの印象が触感に影響を与えないという点に着目し、グラフィックの種類は変えず表面形状を変えることで触感の印象に影響はあるのかということを明らかにすることを目的とした。
表面形状の変化によってもグラフィックの印象が触感に影響を与えるかということが今回の調査によって示唆された。また、表面形状の変化の度合いによっても変化するが、今回の試料においては一様な変化を起こすわけではなかった。表面形状を把握できるということとその表面形状と文様のイメージが一致した時により影響を及ぼすのではないかということが考えられた。