抄録
この研究の目的は、デザイン活動を行おうとする人々が、頭の中に思い描いたアイデアや概念を外在化し、実在し触知可能(タンジブル)な形に具体化する活動を支援することである。2017年11月に、横須賀デザイン研究室ならびにマルマン株式会社と共同し、画用紙を活用したアイデア生成支援のワークショップを行った。主として非デザイン分野の学生たちを対象とし、頭の中に思い描いたアイデアや概念を外在化し、アイデアを発展させる際に、触知可能な紙立体を活用する効果について観察した。アイデア出しに慣れていない非デザイナー系学生は、その場での発想と言語化がうまく進まず、当初は意見を引き出すことが難しかったが、紙立体を活用することでアイデアの外在化が進みやすくなった。参加者たちの振り返りから、アイデアを出す際に手でさわれるものが目の前にあることで、頭の中にある言語化されていないイメージをコメントとして出しやすくなることがわかった。また、紙立体を移動させながらアイデア検討することで、リフレーミングを起こしやすくなり、異なる文脈に既存サービスを置き換えたり、転用するアイデアを導く効果が確認できた。