抄録
本研究は、“北欧デザイン”製品に見られる、「作家性」を用いたブランド・コミュニケーションの、日本国内外における有効性を明らかにすることを目的としている。
まず、北欧デザインの成り立ちや、日本での受容の歴史を俯瞰することで「作家性」を<造形的「作家性」>と<物語的「作家性」>の2つに分類した。
次に、後者が銘などを通じて製品に付与される事を巡る、日本・北欧での議論の歴史を俯瞰した結果、「日用品」に<物語的「作家性」>が付与されることにより、日本人の製品価値の向上を導くことが推測された。
そこで、 1. 海外から分析された日本人の消費者特性や臨床心理学に基づいた国民性からの考察 2. 製品パッケージに人物の画像を掲載する手法で「作家性」を付与した食器を例として用いた、日本・海外正味193件のアンケート調査からの考察を行った。その結果、特に<物語的「作家性」>の付与により、「日用」に食器を購入する日本人は“作り手のこだわり”をより強く感じること、海外の人々は『日本人の作業風景』の画像を掲載することで製品評価向上へと寄与することが明らかとなった。