近年の社会・都市・事業開発では,加速的な経済成長への期待と複雑な社会課題を背景に,社会システムの新規構築や再構築の要望が高まっている。2030年をターゲットに先端技術をあらゆる産業や社会生活に適用検討する動向から,官民連携により,技術の社会実装を具現化していく事業・都市開発が増加している。この動向に同期して,将来の都市や地域における事業構想策定に向け,自治体や事業者との協創活動を通じて全国各地の都市・地域開発へ参画してきた。しかし,過去の取組みにおいては,現状課題解決や将来機会創出が単発的で,中短期的の地域施策の検討が不足していた。また,検討内容も企画視点と現場視点の相互を同時に捉えられていなかった。更に,中短期事業化に向けては多様な関係者との連携が必要となるが,現状はデザイナーがプロジェクト全体検討の中心として不可欠な存在であり,参画負荷が増大していた。そこで,プロジェクト全体を俯瞰的に捉えられるプロジェクト企画概観の表象化モデルから中短期事業構想に向けたアプローチ方法を検討した。体系化された実行プロセスにより,関係者が相互関係を持ち推進できるスキームの研究を行った。