本研究は,空間的,観光的価値の向上を目指し,かいわいを構成する要素としてのサウンドスケープについて,その抽出と分析を行っていくことを目的としている。
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;本稿では,これまでに行ってきた調査結果から,神社の参道空間のサウンドシークエンスについて述べる。
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;神社の空間の多くは,自然が豊かであり,自然音を中心に様々な音を聴くことができる。また,参道空間は,外部空間から神社境内に移り,本殿に向かって移動していくため,空間移動中に音の変化を楽しむことができる。
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;本稿では,太宰府天満宮,伊勢神宮内宮,白山比咩神社,出雲大社の考察結果を述べたが,特に白山比咩神社や出雲大社の参道空間は,標高差が大きく,参道中の場所により,聴こえる音の範囲も異なることがわかった。
;既往の研究においても,サウンドスケープの魅力について述べてきたが,観光コンテンツとして活かすことを考えたとき,「極めて静寂な環境」といった繊細なサウンドスケープは,多くの人々が来訪することで,失う可能性もある。これらを保全しつつ,サウンドスケープ,サウンドシークエンスの魅力を伝えるために取り組みを続けていきたいと考えている。