本研究は、全天球映像を用いた「ビジュアル・フィールドノート」のデザインを通して、新しいメディアのもつフィールドワークへの可能性を探求する事を目的としている。研究は以下の3つの実践によって構成されている。1)全天球カメラと従来のツールを用いたフィールドワークの実施と比較から、フィールドワークにおける全天球映像の可能性について理解する。2)フィールドの記録としての全天球記録映像である「ビジュアル・フィールドノート」表現形式をデザインする。3)「ビジュアル・フィールドノート」を非調査者(調査に同行していなかった人々)へ公開する事を通じて、本ツールから非調査者を調査に巻き込む事ができる可能性を探索する。これらの実践を通じて、「ビジュアル・フィールドノート」の活用によってフィールドが多視点的に描写できる可能性も示唆した。