筆者はS保育園でフィールドワークを実施し、保育士同士が偶発的なコミュニケーションをとることが難しいという課題があると考察した。具体的には、保育士は昼食時、喫煙時、お酒の席といった場に生まれる偶発的なコミュニケーションをとることが難しい点である。そこで、筆者は保育士同士が対面ではなく、交換ノートのような書くコミュニケーションを保育士同士で出来ないかと考え、児童を対象に作られた市販の交換ノートを基に、S保育園の保育士用に交換ノートを作成した。その交換ノートを14名の保育士に使用してもらったところで、筆者は書き込まれた内容を分析し、保育士2名にインタビュー調査を行なった。交換ノートでは主に、会話のネタを仕込む行為が行われていた。筆者はそれを「タバコミュニケーション」や「飲みにケーション」ではない、「仕込みニケーション」と呼ぶことにした。また、そこでは「あの人」という存在を介したコミュニケーションが行われていることが明らかになった。