VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)と言われる現代の予測不能な時代では、ビジネスにおいて、デザインやクリエイティブの能力が重要視され始めている。また近年多くのデザイン教育機関が立ち上がっていることからも、ビジネスとクリエイティブの融合による新しい価値の創出は注目されている。この新しい価値を生み出すためには様々な分野の人々が越境し共創を行い、創造的アイデアを生み出していくことが不可欠だといわれているが、実務上において、マーケターとデザイナーや、営業とクリエイターといった異なるバックグラウンドを持つ職種の人々がそれぞれの分野を超えて効果的にコラボレーションして価値を生み出している実例を聞く機会は多いとは言えない。 このような背景により本研究では、創造的アイデアを生み出すためにチームの最小単位であるペアで行われるデザインの探究的実践を行う。予備調査として、広告会社に所属するデザイナーである筆者とマーケターの調査協力者の2名が実際に海外広告賞のコンペティションに参加し、その結果から創造的アイデアを生み出すためのデザインプロセスを探索し、実践を通して分析した。