本研究は、「ゲーミング・シュミレーション」を使用したワークショップをとおして、参加者と共に「公立校」の新しい見方を考えることを目的とする。 近年の学校や学習環境の「良さ」は、プログラムの新規性やサービスの充実をとらえることに意識が向けられがちである。特に旧来から制度上画一的な公立校において、教員や子どもたちによる語りや、日常体験などは焦点が当てられにくい。また昨今では、日本の教育制度・政策全般への不信や、通学区域内の公立学校のカリキュラム、学校成員に対する不満を理由に、義務教育段階の公立学校を忌避する現状を指す「公立不信」や「公立離れ」といった言葉もある。しかし、公立校的な学習環境や学び方は、子どもたちや指導者にとっていかなる影響を与えているのか。多様な教育現場の実態を観察・記録し、公立校のポジティブな側面を言語化、形式化することはきわめて有意味である。本研究では、第一著者が公立小学校や学習支援施設でフィールドワークを行いながら「公立校的な学び」の意味を理解し、他者へ共有することを目指す。成果は「ゲーミング・シミュレーション」という形式でデザインし、その実践プロセスを評価する。