現在ワークショップが広く浸透し一般に普及することで、その内容やプロセスデザインは多様になり、様々なワークショップの現場で学びの質や評価が問われている。本研究では、筆者が実践したこども園での美術鑑賞WSを分析し、参加者と実践者にどのようなワークショップの学びが起こっていたかを考察し、その学びの構造を理論化することを目的としている。また、ワークショップのファシリテーターを省察的実践者として着目し、実践の中の知のプロセスを解明することで、ワークショップデザインと学びについての関係性を考察した。分析はファシリテーターがワークショップ中に行う「行為の中の省察」と、ワークショップ終了後にビデオ等で行った「行為についての省察」の2つの省察によって、ワークショップ実践者と参加者の出来事を省察的実践者の視点から行い、ワークショップデザインと参加者の学びの関係性を浮かび上がらせた。ファシリテーターはワークショップ中の「行為の中の省察」をとおして、現場への関わり方を変容させ、問いや時間配分、活動の移行決断というしかけを行っており、その結果、参加者の学びがダイナミックに変容することが明らかになった。