日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会
セッションID: 2D-04
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音像によるユニバーサルな海中探検「深海エレベーター」
*高橋 基就赤井 愛白髪 誠一塩見 麻友宮田 哲浦谷 和生
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抄録

本研究では、視覚障がい児と晴眼児の双方が楽しむことができることを目的とする体験型ブースの制作を行なった。背景として、視覚障がい児にとって魚が“スイスイ”泳ぐ様やクラゲが“フワフワ”水中を漂う状態などの海洋生物の動きのイメージを感覚的に得ることが困難な点がある。そこで本研究では音像によって海洋生物の動きのイメージを感じることができる体験型ブースの制作を試みた。視覚障がい児と晴眼児の双方が同じ条件下で体験できるものとして、光が届かない深海を題材に『深海エレベーター』と題し、ブースをエレベーターに見立て、深海を目指し潜水していく中で様々な生き物に出会うというストーリーを設定した。そして、海洋生物を表す音を作成し、平板スピーカの指向性が強く周囲の音と混ざりにくいという特徴を活かし、出力される音のタイミングと音量の差によって調整をすることで、アデリーペンギンが目の前を横切って行くなど、6種類の海洋生物の動きのイメージを音像によって表現した。今後は視覚障がい児を含む子どもたちに体験してもらうとともにより臨場感のある表現ができるよう改善していく。

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