日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第69回研究発表大会
セッションID: 3B-02
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ことばを聴くことからはじめるデザイン演習の可能性
オンデマンド・ラジオで図解を学ぶデザイン演習を事例として
*横溝 賢原田 泰宮田 義郎三河 侑矢佐藤 あみか樋口 涼佳子
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抄録

「やって・みて・わかる(須永,2015)」行為は、デザインの本質的な解を見出す原理であると考えられている[1]。デザイン技法を教える授業者も、学習者の様子を見て個別に表現の意図を問い直すことから、自分の「こと」を内省する学びを促してきた。しかし授業のリモート化を境に学習者が映像・音声のミュート機能を使うようになり、授業者はこれまでのように「学習者がやってみている〈のを見て〉・わかろうとしている〈のを見て〉」授業を運営することが困難になった。筆者はこの「見えない」ことのもどかしさを感じ、これまでの授業運営が「見る」ことに依存していたことに気がついた。そして、図解を学ぶ授業のリモート化において「見る」ことから「語り聴かせる」ことにシフトしたオンデマンド・ラジオを試みることにした。その結果、ラジオ型授業(以下、ラジオ)の作品には、対面に比べ、内省的な問いから表現していく学びが多く見受けられた。本稿では、こうした「ことばを聴くことからはじめる」学びの態度が、制作物にどのように現れているのかを分析し、ラジオ型授業が学習者に与えた影響を考察する。

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