抄録
本研究では、不特定多数の参加者によるノウハウ交換を促進するための「介在物(mediating artifact)」として、ノウハウ交換ボードのデザインを検討した。このボードでは、質問形式を活用することで、暗黙知の共有に伴う心理的なハードルを下げ、匿名性を担保しながら非同期でのやりとりを可能にしている。調査の結果、参加者は「ノウハウをゼロから提供する」よりも「質問に答える」ほうが参加しやすく、対話への入り口となりやすいことが示された。これにより、介在物の設計が、人と人との効果的な知識交換において重要な役割を果たすことが明らかになった。