抄録
深刻な資源不足に直面するなかでも経済成長を続けるためにサーキュラーエコノミーへの移行が叫ばれており,資源循環を組み込んだ環境価値と経済価値を両立するビジネスの創出が求められている.しかしながら,経済価値を担保することが難しいうえ,ステークホルダ間で行動原理の相違やコミュニケーションの欠如が発生していることから,その実現は容易ではなく,どこを切り出しても三方良しとなるようなビジネスデザインが必要となる.本研究ではB2Bリユース,すなわち企業間で使用済み製品を再利用するビジネスのデザインに焦点を当て,ステークホルダーが循環型エコシステムに参画したくなるモチベーションを,インタビューを通して分析することとした.想定サービスとしてリースを活用した冷凍機リユースのビジネスモデル仮説を立案し,サービスの提供側と利用側のそれぞれにインタビューしたところ,経済的および環境的観点を含むサービスの課題と,それに準ずるニーズが抽出された.そして,その分析のなかでデジタルソリューションやルールメイキングによってエコシステム形成が牽引される可能性を見出した.