抄録
通常、撮影時において、撮影者、被写体という二つの役割が生じ、私たちはどちらかの役割を担っている。その間、撮影者と被写体の間では撮る/撮られるといった関係が生じており、被写体は「撮られる」といった受動的な立場に置かれている。その中で被写体はその受動的な立場の中で写真撮影という一連のプロセスを体験している。著者はこのような現状での撮影を撮影者と被写体の間で非対称的な関係が生じていると捉えている。 そこで本研究では、カメラ撮影における撮影者と被写体間の非対称的な関係を変えることで、新たな撮影体験が生まれると考えた。本稿では、非対称的な関係を新たに対称的な関係とすることを目的とした「フレームカメラ」を考案し、試作したものの考察を述べる。