抄録
本研究は、観光映像の制作を通じて、離島地域における地域の物語をどのように記録し、伝えることができるのかを探る実践的な試みである。筆者はこれまで、地域ブランディングや観光振興に資する映像表現に取り組んできたが、特に人口減少が進む地域において、映像が語りの記録手段となる可能性に注目している。近年は、大分県姫島村のジオパークを題材とした映像制作や、鹿児島県与論島における「与論ファクトリー」と連携した観光映像の制作に携わり、風景や地域文化、住民の声を可視化する実践を重ねてきた。これらの活動を通じて、映像が単なる情報発信を超えて、地域の記憶や語りを次世代へとつなぐ表現として機能し得ることを考察する。姫島と与論での実践を出発点に、今後の展開として、他の離島地域への応用可能性についても検討する。