抄録
本研究では,第2著者自身のユーザ・センタード・デザイン(UCD)についての授業受講体験のエピソードの記述を分析・考察することで,第2著者自身のUCD評価の視点を明らかにするとともに,第1著者が第2著者の研究に伴走して得たデザイン教育に関する気付きを提示する.記述の分析・考察の結果,第2著者が考えるUCDにおける「良いデザイン」とは、対象ユーザーの反応やフィードバックを直接得ることで評価指標を見つけ,それに沿ってデザインすることであることが明らかになった.また,第2著者にとって満足できるプロトタイプの完成が,UCDという上位概念への気づきを引き起こしたこと,デザイン教育はプロジェクトを一通り遂行することでしか行えず,デザイン手法の概念部分だけを取り出して学ぶことはできないという初学者に起こりえる事象を考察した.