抄録
本研究は、ディスレクシアの社会モデル的な支援を目指し、ディスレクシア当事者にとって読みやすいフォントやレイアウトを探索するワークショップを実施した実践報告であり、Researth through Design(RtD)の観点からプロジェクトを論じた方法論研究である。武蔵野美術大学、モリサワ、コンセント、東京科学大学の共同プロジェクトとして行われた本ワークショップでは、当事者一人ひとりにエディトリアルデザイナーとフォントデザイナーが付き、個々の「読みやすさ」という感覚を探索的に追求した。その結果、フォントやレイアウトの多様な組み合わせが得られ、展示を通じて教師や保護者の認識変化、当事者自身の主体性回復、デザイナーの社会的役割への気づきという成果が確認された。本研究は、RtDの探索的アプローチとアクターネットワーク理論(ANT)の観点から、当初予見できなかったデザインの媒介的役割を明らかにし、社会モデルデザインの可能性を示唆した。