日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第73回研究発表大会
セッションID: A-08-01
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身体的経験を伴う写真行為を基盤としたデザインリテラシーの実践
武蔵野美術大学と中央美術学院との特別共同授業プログラムを対象に
*楊 心苡, 路 梦瑤, 陳 蔚, 若杉 浩一
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抄録

現代社会は、ジェネレーティブAIをはじめとする急速に進化するテクノロジーと視覚的に情報過剰な環境により、複雑で予測不能な状況を迎えている。本研究は、このような時代においてデザイン教育が「ものづくり」から「意味づくり」へ移行する中で、身体的経験を伴う写真行為をデザインリテラシーの実践として捉える可能性を検討した。 2025年4月に武蔵野美術大学で実施した中央美術学院(CAFA)学生向けワークショップ「Embodied Observation」を事例に、カメラという装置との融合を逆手に取った写真実践を分析した。参加者は短時間で200枚の写真を撮影した後、シークエンスづくりを通じて自らの経験を編集・意味化した。 その結果、大量撮影の過程では参加者が意図せずに都市空間の断片を選択・接続する無意識的な都市編集行為が生じており、シークエンスづくりではこれが意識的な編集的思考へと発展し、「意味づくり」を促すことが明らかになった。この一連のプロセスは、知覚の再編成と編集意識の醸成を通じて、デザインリテラシーの実践として機能する。 本研究は、視覚的に飽和した現代において、身体的経験を伴う写真行為が単なる表現技法ではなく、都市環境を能動的に読み解き、再構成する都市編集的な実践となり得ることを示した。これは、加速する社会の中で人々が自らの視点で意味を創出し、主体的に環境に関わる力を育む、新たなデザイン教育の方向性を提示するものである。

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