デザイン学研究
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円柱形つまみの回転操作における指の使用状況について
松崎 元大内 一雄上原 勝上野 義雪井村 五郎
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1999 年 45 巻 5 号 p. 69-76

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抄録

つまみ・水栓金具・ふた等の操作具を前提とした円柱の回転操作において, 使用する指の状況が円柱の直径の変化によって, どのように推移するかを検討するため, 32名(19〜20歳の男性23名, 女性9名)の被験者で実験を行った。実験の方法は以下のようなものである。直径が7mm〜130mmの間で異なる木製の円柱(高さ50mm)を45本用意し, 無作為に選択された各円柱を, 順に台上の回転軸に差し込み, 右手で時計回りに回転させる。操作の状況は, 下方からビデオカメラで撮影し, 得られた画像から各指と円柱の接触状況を判断した。その結果, 回転操作開始時に使用する指の本数が変化する境界値を, 相対的に図示し把握することができた。また, 円柱の直径が増大するのに伴って, 各指の接触位置がどのように推移するかを二次曲線で近似でき, その傾向が明らかになった。この結果は, 回転操作機器の形状デザインに役立てることができる。

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© 1999 日本デザイン学会
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