抄録
本研究は透過型情報提示における歩行時の安全性を反応時間と認知負荷を基準に検討するものである。評価実験1では健常者を対象に音の種類,方向,後方視界の情報を用いた屋内でのモデル実験による事前検証を行った。その結果,危険回避に対する人の知覚反応時間 0.7~1秒程度を安全の基準として,音の種類,方向に対する反応時間に遅延はなく透過型情報提示の安全性が確認できた。評価実験2では聴覚障害者と成人を対象に音の種類,方向の情報を用いて実際の使用環境に近い模擬評価実験を行った。屋外で歩行しながら透過型情報提示を利用する場合,個人によっては反応時間の遅延が見られ,安全性が誰にでも確保されるものではないことが明らかとなった。