デザイン学研究
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映り込み曲線の分析に基づく不具合映り込み曲面の形成要因の解明
平野 亮原田 利宣井上 治郎
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2014 年 61 巻 4 号 p. 4_85-4_94

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抄録

 デザイナは周囲の光源環境が製品の曲面へ映り込んだ像の形状(以下,映り込み形状)を手掛かりとして,曲面の性質の評価を行っている.しかし,造形前に意図した映り込み形状を映し出すような曲面を創成するCAD 上の制御パラメータ値を明確にすることはできておらず,デザイナは経験や勘により曲面の丸みや捩じれを少しずつ調整しながら探索的に意図する映り込み形状を映し出す曲面を得ている.
 そこで,本研究では,美しい曲面を創成するための曲面の制御パラメータ値とそのパラメータ値間の関係の明確化を目的とした.具体的には,対数美的曲面の制御パラメータにおける各値の組み合わせ計256 種から創成された対数美的曲面とその曲面上の映り込み形状の関係性,また視点位置と映り込み形状の関係性について分析を行った.その結果,不具合な映り込み形状を生ずる対数美的曲面を創成する制御パラメータ値とそのパラメータ値間の関係が明らかとなった.

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© 2014 日本デザイン学会
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