2015 年 62 巻 4 号 p. 4_11-4_16
これまで札幌市は,人口増加とともに住宅地の郊外化が進み,都市機能の分散が図られてきた。しかし今後は,高齢化,人口減少などの背景を踏まえて,身近な生活圏域を中心としたまちづくりが求められており,将来の札幌市の姿についても,集約化された地域のビジョンが描かれている。
本研究は,市民自治や地域コミュニティの拠点となる札幌市内87 箇所のまちづくりセンターに着目し,各センターが有する区域を身近な生活圏域と考え,日常生活に関わる買い物および駅の500m勢圏を設定し,これを基にした充足率の観点から,まちづくりセンター区域の地域格差を分析した。
結果から,郊外部あるいは人口低密度のまちづくりセンター区域ほど充足率の低い傾向を得られたことに加え,これらは,市内のなかでも高齢化が進んでいる地区であることなど,年齢特性を含めた地域格差を明らかにした。