デザイン学研究
Online ISSN : 2186-5221
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社会システムのあり方を考える思索的将来像
―議論を起こす将来像の構成要素とその構造
柴田 吉隆赤司 卓也伴 真秀鍾 イン
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64 巻 (2017) 4 号 p. 4_69-4_78

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抄録

 不確実性の時代を迎え,複雑な社会システムをどのように新しくしていくかの議論を促すための思索的将来像の提示が必要になってきている。本研究では,日立製作所で実施された2つの将来像作成のプロジェクトを通じて,議論を促す思索的将来像の構成要素とその構造について考察する。初めに作成した将来像では,従来のサービスデザインのプロセスを適用し,対象事業領域の動向を調べた上で生活者視点のシナリオを作成したが,議論が解決策に向かい,新しい社会課題の考察などのハイレベルな議論へ発展が困難であった。2回目の将来像作成では,生活者の価値観変化の方向性を示すことを主眼に置き,議論を持ちかける際の一貫した態度の設定と,将来社会の中での生活者視点の具体的な問題を複数のシナリオで伝えるよう将来像の構成要素とその構造を改善した。その結果,将来社会の新しい社会課題や当該社会における生活者の課題に対する意見をもとに,新しい社会システムのあり方を議論することができた。

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© 2017 日本デザイン学会
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