デザイン学研究
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形態最適化により設計された盲導犬用ハンドルの提案
―盲導犬とユーザーの負担を軽減する盲導犬用ハンドルに関する研究(1)
白髪 誠一赤井 愛田上 貴久美
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2021 年 68 巻 1 号 p. 1_29-1_38

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抄録

 本研究は,盲導犬とユーザーの双方の負担を軽減するハンドルの開発を目的としている。本報では,形態最適化に基づくハンドルの設計および実験による検証を行っている。
 盲導犬に対しては,ハンドルから胴輪へ伝達される負荷を左右均等にするハンドルの形態,ユーザーに対しては自然な姿勢で保持することが可能なハンドルの形態を設計の目標とした。
 ユーザーが体側で自然な姿勢で保持できる楕円型ハンドルのプロトタイプを用いた盲導犬模型による歩行実験より従来型のハンドルに比べて盲導犬の両肩に加わる負荷が均等になる傾向を見ることができた。楕円型の形態パラメータを変化させた形態最適化により盲導犬への左右の負荷を均等にすることが可能な形態を得ることができた。
 プロトタイプを基に設計された y 字型ハンドルを用いて盲導犬模型による歩行実験を行った結果,y 字型ハンドルはユーザーがハンドルの保持姿勢を意識することなく,盲導犬に加わる負荷が均等になる傾向を確認することができた。

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