デザイン学研究
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インフォーマルコミュニケーションを主軸とした小規模な対話の場の効果の検証
― 新潟県長岡市で実施した小規模な対話の場に参加した参加者の口述情報の分析から
佐々木 茉歩板垣 順平
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2025 年 71 巻 3 号 p. 3_11-3_20

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抄録

地域活動や地域コミュニティへの参画の動機づけのひとつに小規模な地域の場が注目を集めている。一方で、参加者が小規模な地域の場への初参加時以降も再来するために有効なアプローチについては検討の余地がある。
本研究は、地域コミュニティやまちづくりプロジェクトなどで活用が期待されるインフォーマルコミュニケーションを主軸とした小規模な対話の場を筆者自ら企画・運営し、初参加時以降もこの場に再来した参加者8 名と初参加時以降この場に再来しなかった者3 名の口述情報をMaxQDA によって帰納的に分類し、それらの結果から参加者が初参加時以降も再来することにつながった要因の提示を試みた。初参加時以降もこの場に再来した者の多くは、雑談を主調としながらも、その内容は愚痴や悩み相談などのネガティブなものが含まれ、さらにその詳細な属性としては、参加者自身の過去の話や性格・特徴などにかかる情報が多くみられた。つまり、初参加時に筆者や他の参加者との関係が十分に構築できているとは限らない段階において、対話のなかで「自己開示」が行われていることが示唆された。

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