デザイン学研究
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更年期女性向けサービスデザインに関するインタビュー調査
─メノテックデザインに関する研究(2)
劉 彦佐藤 弘喜
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2025 年 72 巻 2 号 p. 2_37-2_44

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抄録

本研究では、更年期前後の女性を対象に、日常生活におけるメノポーズケアの課題とメノテックサービスに求められるニーズや要件を明らかにした。東京都在住の40~60歳女性10名を対象にオンラインおよびオフラインでインタビューを実施し、主題分析とテキストマイニングを通じてライフスタイル、更年期体験、ケア状況、フェムテックおよびメノテックの利用実態を分析した。調査の結果、家族・職場の支援不足や医療体験への不満が、更年期症状の悪化や生活の質(QOL)の低下につながることが示唆された。また、信頼できる情報提供や心理的サポートが求められることが明確となり、以下の4つの要件が導出された:(1)情報提供、(2)生理不調・健康管理・運動サポートサービス、(3)オンライン診療・服薬指導のプラットフォームの構築、(4)サービス品質向上。本研究は、これらを満たすメノテックサービスが更年期女性の健康とQOL向上に寄与する可能性を示しており、今後のサービスデザインの開発と普及に向けた基盤となる。

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© 2025 日本デザイン学会
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