抄録
科学教育における創造性(創造力)は昭和33年の学習指導要領からすでにその重要性が示されているが, 科学教育学研究や理科教育学研究の中では系統的な研究がなされてきたとは言い難い.一方, 高度情報化社会が益々促進されている今日において, 創造性が問い直され, より具体的かつ実践的な創造性の育成に関する研究が望まれる.ここでは, 科学教育における創造性に関するアメリカでの定義をもとにしながら, 3つの学習モデルのどの部分が創造性と関連しているのかを明らかにし, 創造性を育成する1つの内容として教師や生徒による質問や発問があり, これらを重要視する構成主義に基づいたSTSが児童生徒の創造性を高めることができたことについて論述する.