抄録
小5から高3までの児童・生徒の科学観に関する追跡調査の結果を分析した。その結果, 科学研究の目的では「幸福な生活の手段の提供」の反応率が全学年を通じて最も高く, その反応を維持する者の割合は高学年になるほど高くなること, 理科の学習に実験が必要な理由では「いろいろな考えを確かめるため」の反応率とその反応を維持する者の割合がともに低学年の段階ほど高いこと, そして, 自動車の利用と大気汚染及び交通事故との兼ね合いでは「値段が高くなっても排気ガスが少なく安全性の高い自動車を開発する」の反応率とその反応を維持する者の割合がともに低学年の段階から高く安定していることなどがわかった。