抄録
沈水被子植物であるヒルムシロ属(ハルムシロ科)のエビモ(Potamogeton crispus)を用いて、光合成のための教材を開発した。数枚の葉を付けた植物体を、pH指示薬であるクレゾールレッドを含む寒天ゲル中に包埋して、光を照射すると、葉の表側表面が赤色に変色する。この赤色に変わった部分の面積は寒天中のHCO_<3^->の存在、光強度、温度に依存しており、かつ、酸素電極を使って測定した光合成速度と高い相関関係を示した。この寒天包理法は水生植物の光合成をダイナミックに、かつ半定量的に調べるための中学校や高等学校における生物教材として利用できる。