29-5G4 速度の和に関する研究

抄録

物理量には"大きさ"を表す量(外延量)と"強さ"を表す量(内包量)の違いがあり, この区分は概念形成に有効であると考えられる。両者の違いは, 加法性の有無で表すことが出来るが, "速度"は強さを表す内包量であるにも関わらず, 速度の合成や相対速度等においては, 加法的な演算が行われている。この原因を考察したところ, 物理量の"和"を求める前提となっている合併の段階において重なりが生じていることが分かった。