抄録
新世紀に向けて、子どもに生涯をかけて豊かに生き抜く力を獲得させることが、ますます重要になっている。ヒトが主体的に生きていくためには、知・情・意が統合されることが必要であり、それぞれが単独で働くことはありえない。情や意を欠落させて獲得した知は、生きて働くものとはなりにくい。豊かに生き抜く力を獲得させるためには、意欲を育てること、豊かな感性を育てることが基盤になければならない。そのためには、脳の進化の過程や生理をふまえ大脳辺縁系や大脳基底核等の動物的で原始的な脳を刺激する体験や活動を基盤においた教育課程の編成が不可欠である。