抄録
大学初年級・高校の基礎物理教育において、「仕事」の後で学ぶ「エネルギー」について、次のような二段階の学習過程を践むことが望ましいと思われる。(1)エネルギーの概念を、仕事の遂行可能な状態である具体例の提示を介して、定性的に形成させること。(2)各種の力学的エネルギー、熱エネルギー、電磁気的エネルギー、化学的エネルギー、原子力等、エネルギーの量的評価を(1)に即して行い、エネルギー保存則にも関連して学習すること。 会場に於いては、現状の一斑として、各校の対応、教科書類を調査した結果と、併せて、我々の取り扱いを紹介し、私見を加える。