ネットワークポリマー
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ビスマレイミド-ベンゾオキサジン間反応を利用した耐熱性樹脂
高岩 玲生大山 俊幸高橋 昭雄
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2012 年 33 巻 1 号 p. 2-8

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抄録
ビスマレイミドジフェニルメタン(BMI)と3,3’(メチレン- -1,4- ジフェニレン)ビス(3,4- ジヒドロ-2H-1,3- ベンゾオキサジン)(P-d 型ベンゾオキサジン)の反応により,高耐熱性と低熱膨張係数を併せ持つ樹脂硬化物を得た。200℃4 時間の加熱硬化による樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg),分解温度(Td),熱膨張係数(CTE)が,それぞれ動的粘弾性試験(DVA),熱重量分析(TGA),熱機械分析(TMA)によって調査された。BMI とP-d の混合系樹脂は全てそれぞれの単独系よりも高いTg を示し,当量比BMI:P-d=1:0.3 の混合系では315℃の極大値が得られた。BMI とP-d の混合系は熱膨張係数も48ppm/K と汎用エポキシ樹脂(65-70ppm/K)と比較して低い値が得られた。示差走査熱量分析計(DSC)による解析結果からは,BMI とP-d 間における相互作用の可能性が示唆された。さらに,単官能のモデル化合物を用いた検討により,相互反応の一部としてフェノール性水酸基とマレイミド二重結合間の反応が確認された。
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© 2012 合成樹脂工業協会
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