抄録
平成8年度から発足した環境庁「環境カウンセラー登録制度」は, 環境教育における学校と地域との連携を人材面で支える仕組みの一つとして機能する可能性を持っている。「市民部門」の環境カウンセラーには, 市民, 市民団体, 事業者, 行政などのパートナーシップの形成とともに, 環境保全活動の活性化に向けた相談・助言や, 環境学習の指導者, 意識啓発活動の企画・運営などの役割が期待されている。初年度登録の環境カウンセラー(市民部門)は321名で, 自然, 環境教育, 水質, ゴミ・リサイクルを専門とする者が多い。この制度が学校と地域をつなぐ, 人と情報のネットワークのきっかけとなり, 登録者が学校内外の環境教育において活躍できるような運用が望まれる。