抄録
出展した理科教員が科学の祭典を最も高く評価しているのは、「青少年の科学への興味関心を高める。」という項目で、90.9%に達していた。次いで、「科学や技術を人々にとって身近なものにする。」が63.6%であった。「理工系の人材育成に直接効果がある。」、「10年、20年後に目に見える成果が表れるだろう。」と答えた割合はともに20.0%であった。「学校での理科学習との関連付けがあってはじめて意味がある。」と答えた割合は6.1%と、低率であることから, 理科教員は学校における公式な理科教育と科学の祭典のような非公式の科学教育との関連性をあまり重要視していない傾向がみられた。以上のように、理科教員は科学の祭典を学校教育とは独立させた、原体験をはじめとするさまざまな科学に対する体験を拡大する場として評価していることが明らかとなった。