米国と日本の学部学生を対象とした音声学の講座(1996〜2001年)においても音声分析・合成の技術や音声生成・知覚の理解をはかるために、演習教育を導入した。学生にとって目に見えない音声の実体を観察できたことは、音声学の諸問題を理解するのに役立ったと思われる。しかし、演習の導入にあたって、課題が学部生に適さない、演習に時間がかかりすぎる、コンピュータ操作や物理学などの基礎の修得に個人差がある、といった問題点が明らかになった。改変した演習内容を紹介しト教育現場での音声学演習の応用についての展望を記す。