抄録
現在、高校生物の授業では、土壌中の微生物の存在と働きを、生態系の中での分解者として学習している。しかし、これに関する教材化の研究は活発とはいいがたく、報告も多くはない。その中で、バクテリア(分解者)の存在を視覚的に判定できる方法として、バクテリアによるリバーサルフィルム(カラースライドフィルム)の腐食を利用する実験が報告されている。しかし、バクテリアの活動の度合いを定量的に評価するまでは至っていない。本研究では、リバーサルフィルムの腐食の程度を、自作比色計で測定し、半定量的に土壌を評価する方法を開発した。また、土壌の「化学分析」を行い、この結果と「リバーサルフィルムによる土壌評価」の結果とを比較したところ、「リバーサルフィルムによる土壌評価」と「化学分析」の「有機物含量」に相関関係が見いだされた。