抄録
本研究では、スコットランドの新改訂版(2000年版)ナショナル・ガイドラインの内、「環境」学習領域群 (Environmental Studies) のサイエンス(Science)学習領域とテクノロジー(Technology)学習領域の各特徴や相互関係の事実解明の検討を行った。その結果、スコットランドの学習形態は、トピック(Topic)学習と呼ばれる課題活動であった。各学校は、子どもたちの学習活動や地域の学習資源、評価方法等を創意・工夫した学校基盤型カリキュラム作りを展開していた。技術の教師用指導書に示されたトピック学習の例示では、科学教育と技術教育の固有性を相互に認めつつ、「融合」を図る学習活動を構想し、指導と評価の一体化を展開していた。従って、デザイン(創造的な問題解決と工夫・創造)、学校基盤型カリキュラムが、科学教育と技術教育を総合化する鍵概念になっていることを明らかにした。