抄録
金沢工業大学は1995年度を期してカリキュラムを一新した。そこでは学生がその時点で有する知識を駆使して工学的に価値ある成果を生み出す「工学設計」という科目を中心に据えた。またそれより2年前に学生が余暇に図書館に行くのと同じような気軽さで訪れると自由にものづくりが楽しめる施設「夢考房」を開設した。これらの根底にある考え方は, 「教員が教える教育」から「学生が自ら学ぶ教育」への転換こそ焦眉の急であるということであった。今や「工学設計」は本学カリキュラムの主柱として重要な位置を占めるようになり, また夢考房からは自ら学ぶ学生が確実に育ち, 社会に雄飛するようになった。以下それらについて述べる。