抄録
科学や学術という社会的営為がその主体たる研究者共同体内部での内省を経て,「科学のための科学」から「社会のための科学」という方向に軸足を転回するとは,科学・学術の全領域を総動員して,地球規模で生起し進行する各種社会問題の包括的解決を志向する研究活動をも展開することを意味する.科学教育研究も学術の一翼を担うなら,そのような問題解決に参加する社会的責任を共有せざるを得ない.そのような研究教育活動は「科学のための科学」に資する科学教育研究教育活動と同時併存的に推進されるべきである.その具体的イメージは80年代後半から90年代にかけて展開されたSTS教育に求められるであろう.