抄録
本研究では,ピアジェ以後の認知発達研究の展開を,子どもの持つ認知的な有能性への着目と位置づけ,この認知発達研究における変化が,科学教育カリキュラムにどのような影響を与えてきたのかを概観した。具体的には, (1)ピアジェの研究は,伝統的な科学教育カリキュラムに対して制約を与えるというかたちで影響を与えてきたこと,そして(2)ピアジェ以後の研究と符合するかたちで,幼年児対象の新しい科学教育のカリキュラム・モデルが登場してきていることについてレビューを行った。最後に,日本の幼児教育における最近の変化について,とりわけ科学的認識の育成の側面からとらえ,今後の幼児教育への展望を論じた。