抄録
本論文では、電子掲示板上の議論を促進する方法として発言者割り当て方式を提案し、その方式を採用した掲示板システム「コミュニティ・インキュベータ」の概要と試用実験の結果について述ベる。発言者割り当て方式は、電子掲示板上に何らかの書き込みがなされた時、その書き込みに対して返答すべき学習者を手動・自動でアサインし電子メールで通知するシステムである。大学生を対象とした試用実験の結果、この方式がオンライン議論を支援することが示唆された。しかし、同時に限界・問題点も明らかになった。これらの問題をふまえて、システムを改良し効果検証をおこなうことが今後の課題である。