抄録
地学現象の理解と共に,災害や防災に対する態度や能力の育成を目指した教材開発の経緯を示し,開発の基本的な姿勢について整理をし,提案している。モデル実験の効用として,1)現象の疑似体験ができ,その現象を直感的に理解できる2)観察・考察の対象とすることができる。3)強い印象を残すことができる等を確認している。モデル実験を通して,現象の因果関係をとらえ,避難行動へと導きし得る可能性があることを示している。さらに,モデル化するときのモデルの妥当性(現象を説明しているか,相似則は成り立つのか等),子どもの学習能力のレベル,学習方法へのストラテジー等の相互理解が不可欠であることを指摘している。