抄録
変化の激しいこれからの社会に生きる子どもたちが身に付けるべきものとして,文部科学省は「生きる力」の育成が必須であると提唱している。「生きる力」は「確かな学力」,「豊かな人間性」,「健康・体力」という3つの要素が支えるものであり,本研究はその中の「確かな学力」の育成に焦点を当て,小学校3年生32名の児童を対象に取り組んだものである。実践では国語科教育とICT (Information Communication Technology)をリンクし,国語科説明文の「読むこと」における授業において,プロジェクタや電子黒板といった機器を積極的・効果的に活用し,児童に「確かな学力」を身に付けさせることをねらいとしている。これまで国語科におけるICTの取り組みは,音読や作文など「話すこと・聞くこと」などの表現領域や文法や漢字・語句などといった「言語に関する事項」での実践が多く,ICTの学習効果が認められている。しかし,文章や記述内容を理解する「読むこと」の領域の実践例は少なく,ICTによる学習効果が確認されているものが少ないのが現状である。本研究では国語科「読むこと」での学習においてICTを活用し、児童の「生きる力」を支える「確かな学力」を育成するために授業実践をしたものである。実践後の成果として説明的文章を読み取る学習においてICTを授業で活用して話し合いを行ったり情報を交換したりすることで,学習に対する意欲・関心が向上し、段落の要点や意見や具体例などを読み取る力がより高まることが明らかとなった。