抄録
本研究では,「動物の生活と種類」の領域で,古生物に関する科学博物館の専門的リソースを活用した中学校理科の授業をデザインし,実施し,評価した.授業は,古生物や現存する動物を素材に,骨格図や復元図などを活用し,中学生による協調学習の場を保障し,相同器官と相似器官などの概念を学び,ヒトとも関連づけながら動物の進化の視点を育てることをめざしてデザインされた.授業は,発展的な内容を学習する選択理科の時間枠の一部で,動物園でのフィールド学習の前に実施した.参加者は当授業を選択した中学3年生24名,授業者は通常の理科授業を担当する第1著者と第2著者であった.授業中の生徒の記述や授業後に実施したアンケート調査の生徒の回答から,1)動物の分類と体につくりに関する彼らの記述の中に動物の進化の視点のうかがえるものがあったこと,2)彼らは概ね,授業を肯定的にとらえていたことがわかった.