抄録
高校大学間における理科(自然科学)科目の選択傾向を把握することを目的に、公立A大学の入学者を対象として、高校理科科目および大学自然科学分野の全学共通科目(総合教育科目および基礎教育科目)の履修率を調査した。続いてその結果を基に高校履修科目別に大学での科目履修の傾向を分析した。その結果、高校で生物、地学分野の科目を履修した者は、物理や化学分野の科目を履修した者に比較して、大学の総合教育科目において高校で履修した分野と同じ分野の科目を選択する傾向が高いことが認められた。これらのことから高校大学を通して、科目選択の幅をさほど広げていない学生がかなり存在することが示唆された。