抄録
調理師の専門学校生の中にも、理科が「嫌い」「関係ない」と考えている者が多数いることが予想され、科学的知識と密接に関係のある調理を仕事とすることを目指す上でも、人間形成の上でも問題であると考えた。本研究は、学習教科全般に関するアンケート調査から理科について、実際はどのように考えているのかを明確にすることで理科の必要性を感じさせ、興味関心を持たせる方法を模索することを目的として行った。アンケート調査の結果から、理科だけではなく学習全般への興味関心が低いことが分かった。また、理科は実験が好きな生徒が多いが、将来には関係が無いと考えている生徒が多いことが分かった。調理系の科目の中でも栄養学などではなく、調理実習のような科目が好きな生徒が多いことが分かった。しかし、栄養学等も嫌いや苦手であっても将来に必要と考えている生徒が多い。調理と理科は密接な関係があるので、多くの生徒が好きで興味関心のある調理系の科目と理科を関連づけて教えることで理科にも興味関心を持たせることができる可能性があることがわかった。