抄録
現在,学校現場においては,子どもたちがもともと持っている課題解決に向かう能力を発揮して,分からないことを聞き合ったり発見したことや理解したことを教え合ったりする『学び合い』の授業が見られるようになってきた.そこでは,人間関係が改善され,学力が向上する.いったい,『学び合い』の授業の良さはどのような点なのであろうか,子どもたちはどのような姿なのであろうか.本研究では,臨床研究の成果として明らかになってきた学校現場での『学び合い』研究を取り上げ,その最新の臨床研究の成果と課題を基に,児童・生徒の『学び合い』の実態と教師の『学び合い』を通した児童・生徒観,授業観,学校観について議論する.